21日午後、夏空の広がった多摩川でプレ「多摩川塾」を開催した。呼びかけに応じた、多摩川流域小学校の教師ら４１名。これまで見るだけだった多摩川で、「泳ぐ」「潜る」「魚捕り」の初体験に、真っ黒に日焼けした顔から白い歯がこぼれた。

  呼びかけ応じたのは、川崎市川崎区から八王子市に至る８地区からの小学校教師４１名の有志。先着３０名のはずだったが、くちコミによる広がりにて、あれよあれよの間に嬉しい悲鳴となった。しかし、多くの先生にとって、多摩川はまだ未体験の「危険区」。恐る恐るの参加だったに違いない。説明に耳を傾ける姿も真剣だ。ライフジャケトはまだしも、「水中メガネ・・・？」いったい何させる気なのか心配顔。

  その心配もよそに、いきなり川の中へ入水。さらに多摩川名物「根性決め」。考える余地なく、「せーのッ！」の掛け声に、一気に首まで浸かっている。初めての体験は、全てを覆すほど新鮮だったに違いない・・・。川面に、教え子よりも可愛らしい「笑顔」の花が咲いた。

  その後の「川流れ体験」「水中サンポ体験」、そして沢山の魚と会えた「ガサガサ探検」。立秋は過ぎたが、多摩川の八月は、まだまだ熱い。

　8:30  スタッフ集合
　　　※設営準備
　　　※開催地の安全確保

　13:00  受付開始

　13:30  開塾
　　　※挨拶と趣旨説明

　　　　　　移動

　3:50 本流にて川流れ体験
　14:10  徒歩での川渡り

　14:40  二子「わんど」水中サンポ
　　　　　　移動

　15:00〜15:20  休憩
　15:20  二子「わんど」ガサガサ
　　　※本部にもどり、まとめの準備

　16:00  まとめ開始
　　　※魚種及び数の発表

　16:20  閉塾・撤収

オタマジャクシ    ( 2�p)

モツゴ      ( 7〜10�p)

ナマズ       ( 11�p)

 夏休みだからと言って、先生が「暇」なわけではない。突然の募集チラシに、参加して下さった多くの方が、沢山の無理を積んでの参加となった。何とか楽しんでもらいたい・・・こちらも必死だ。今後のためなんかではない。その「心意気」に答えたい一心の運営となった。

 山のような心配も、時間が過ぎるにつれ、先生方が本気になるにつれ薄らいで行き、後半からは、招待した僕らも楽しくなれた。

 残されたアンケートには、僕たち運営サイドの労をねぎらう言葉に溢れていた。感謝しているのはこちらなのに・・・胸が一杯になった。
 心意気と心意気。本気でしか伝わらないこともある。今日、多くを教わった。

 時代は過ぎ、都市の川「多摩川」が、環境を再生しつつあることを、多くが知る時代となった。今後は、その環境を、地域がどう利用していくか・・・きっと、これに尽きるのだろう。

 いつの時代も、新しい「モノ」は、少しずれた処で生まれるものだ。今日、川に浮かんだ四十人の大人を、世間はどう見たのだろう・・・。 

 夏空を割るように、頭の上を車両が走り抜けていく。車窓から見下ろす「何時もの多摩川」とは違う、新しい始まりが生まれた事を期待したい。(賢)