夏休み最後の日曜日となった26日、秋留野市を流れる秋川で川好き親子を対象にした川遊び体験教室が開催された。主催は多摩川流域で釣り具店を展開する、「フッシャーマン」府中・立川・八王子店の三店舗。
　「子供の自然体験を、より身近な自然で」を合言葉に、専門店ならではのボランティア活動を展開、今回の無料体験教室も全て店舗スタッフが準備運営に当たっている。

　この日集まった親子は20組。ほとんどが、釣り好きお父さんとその家族だ。普段の罪滅ぼしなのか、父親にとっては竿を持たない川詣でとなったが、それぞれ家族サービスに徹っしている姿が微笑ましい。いっこうに衰える気配のない夏の日差。清流「秋川」を楽しむ家族だんらんの夏休みとなったようだ。

09：00 受付開始
・着替え・準備

09：10 講習の開始
・川の流され方
・危険な場所の見分け方

09：30 ｶﾞｻｶﾞｻ体験
　・ｺﾞﾛﾀを剥がして捕まえるッ！
　・ｶﾞｻｶﾞｻの中で捕まえるッ

11：00 川遊び体験
・水中ﾒｶﾞﾈで魚を見ようッ！
・高い所からにﾄﾞﾎﾞﾝしようッ！

12：30 一日の「まとめ」
・取れた魚の確認
・体験講習の「まとめ」

13：00 終了解散

　秋川は、多摩川を代表する支流だ。八王子市の北側で多摩川本流と別れ、秋留野市を分け入り約30�q進んだ檜原村が水源地帯になる。流域は深い渓谷になっていて、ほぼ多摩川合流点まで水の美しさは変ることがない。古くから都民の水辺のオアシスとして利用され、キャンプやバーベーキューなどで訪れる人も多い。

　その清流さは、魚からもよく分かる。今では東京都の絶滅危惧種に指定される「カジカ」などの低層魚類が豊富。やおら水中メガネで覗けば、ヤマメがスイスイ目の前を泳いだりする。トホホ・・・釣り人にはたまらない光景だ。過去に一度もドブ川になった経験のない貴重さが、多摩川では唯一体験できる平野部の支流かもしれない。

　今回の体験教室では、父親たちの献身的な家族サービスが一番印象に残った。これまで週末のほとんどを、家族を置き去りにした「釣行」に出かけている後ろめたさなのか、その徹底したサービスぶりがオモシロイのだ。
　狙いは的中した筈だ。これだけ子供が喜ぶ姿を見れば、同行したお母さんもまんざらではない。水しぶきを上げる親子の姿は、それほど疑いの余地も無い「家族団らん」と化していた。・・・う〜ん、かつての自分を見ているようで懐かしい。このような家族イベントが、その後どれほど父親の自由時間を生み出すか僕は知っている。
　これから始まる海・川での「のっこみ」シーズン。本気モードの釣行で、足手まといになる家族など連れて行けない。でも次回は夜中にコッソリ出かけなくても、晴れ晴れ家族の見送りがあるかも知れない・・・(多分、一回は)。

　身近な自然の楽しみ方は、いろいろだなぁ〜。遠くじゃなくても充分楽しめる。ねぇ、お父さん、楽しい入り口を見つけたネ。来年会う時には、親子で遊べる釣り竿も忘れずに・・・エヘヘ。(賢)