第 313号　　多摩川クラブ トピックス　2013/06/14 21:40発表

遅すぎる春

水しぶきを上げ到来ッ！

全長約6ｃｍ。遡上期も終盤のころの大きさだ。最初で最後と成るかも知れない、若アユの水しぶきジャンプの観察。嬉しくて胸がいっぱいになった。

　久しぶりの雨で水位の上がった多摩川で、遅すぎる稚アユの遡上が始まっている。猛暑と空梅雨が話題になる中、12・13日と二日間に渡り久しぶりの雨が流域に落ちた。それまで11日間に渡り雨がなく、下がった水位にまとまった稚アユの遡上を観察できなかったが、国交省・石原観測所の水位データーによれば、13日午後5時の時点で、降り出す前の水位からは62cmの増水。

　そして濁りの収まった今日14日、今シーズン初めての大きなアユ遡上群が、二ヶ領・上河原堰堤にたどり着いている。すでに世間は夏の様相になってしまったが、魚道を登る若アユの姿をぜひ確かめてあげて欲しい。



14日、16時ごろの観察地点。正面に上河原堰のサイト面。その手前に副ダムによる落差が設けられ、右端の入り口が魚道入り口だ。右は、魚道入り口の水面。流れは無いが、増水に退避した若アユなのかそのまま魚道へと侵入している。水は増水から一夜明けて、遡行環境として最もよい状態の「笹濁り」になっている。


魚道に入った若アユたち。ウキゴリの姿もある。落差を乗り越えようとジャンプを繰り返す一途な姿は、何度見ていても胸を熱くする光景だ。よく帰ってきてくれたね。頑張れッ、多摩川のアユたちッ！

この週末、ぜひこの子たちの応援に行ってあげてくださいネ。

資料

2009’ 多摩川ノート

「魚は何故川を移動するのか」

詳細

○観察日時	06月14日　16時20分～17時00分
○観察場所	調布市布田・二ヶ領上河原堰左岸魚道
○協　　　力	やさしく見過ごしてくださった皆さん
○ ｽﾀｯﾌ	探検わんこ 1号・2号

多摩川クラブ　