2000年ちょうどから開始した「多摩川・春の遡上観察」。中流域に移動する春の水生生物を採集し記録に残す定点観察をしている。誰にたのまれたワケでもないが、魚道を登れないあまりにも多い魚を眺めているうち奮起、記録を取って関係各位に送りながら改善をお願いしている。

　・・・とは言うものの、面白い。仕掛けたカゴに、今日は何が入っているか・・・わくわくしてしまう。それに定点の観察なので、経年変化や各魚種別の「遡行タイミング」などの素性も手に取るように良く分かる。
　「潮汐」「水温」「水量」・・・この三点に多くが左右されるのも、この観察を続けている内に知ったことだ。観察の結果には、毎年都市河川ならではの面白さと驚きがある。

　場所も時期も「同じ」にこだわった定点観測。今年も例年と同じく、調布市の上河原堰魚道下で観察を開始した。

　今年で７回目になる観察は、3月20日から開始している。しかし、25日の増水に仕掛けた道具の全てが流出・・・またホームセンター通いをしながらランダ工房にて作り直し・・・トホホ。

　やっとのことで二個目を完成、さっそく仕掛けたが・・・魚がまったく入らない。もしかして・・・と、水温を計るとソコだけが13.8℃。仕掛けの入れた左岸の岸寄りのみの低水温。
　川の中央部では、すでに春の陽気に連日16.0℃以上になっていて、低すぎる水温に魚が寄って来ないのだ。

　すぐ上流側では堰堤の改修工事が続いている。掘り下げた穴ポコから湧き出る地下水は、汲み上げ24時間川に放流している。やっぱり・・・この地下水の温度が13℃。冬が暖かかっただけに今年のデータ変化は楽しみだったが・・・この場合、いたしかたない。

　さしずめ今年は淡々と記録を取ることにしよう・・・あ〜ぁ。(賢)