12日、川崎市大師河原にある川崎市立･川中島小学校で、長十郎梨の植樹祭が執り行われた。四学年三学級で進めてきた長十郎学習のしめとして、苗木を校舎内に植樹する。

  祭典は校舎脇に用意された植樹用の花壇スペースで行われる予定だったが、生憎の雨。急きょ植樹を延期し、講堂にて祭典のみの開催となった。集まった児童の父母や関係者及び川崎区の長坂区長の参加もあり、会場を埋めた聴衆を前にして、少々緊張ぎみの子供たちが可愛らしい。

  春の花粉付けから始まった長十郎学習。収穫からハレード開催まで、父母や地域の商店街の協力など、思わぬ広がりを見せた学習だった。植樹は、そんな地域を巻き込んだ学習の総決算でもある。

緊張の発表。朝の練習では失敗続出だったそうだ・・・。でも、完璧だった。

  発表は、長十郎の唄や踊りから始まり、一年を振り返る子供たちの発表へと続く。
　ひとつひとつの内容に・・・ひとつひとつの言葉に、子供たちの心に宿った「ふる里の宝物」の姿が、ありありと浮かんでは見える発表となった。

「いにしえ」をかなぐり捨て、工都の道を歩んだ川崎だったが、改めて“川崎らしさ”を考えさせられる・・・。

  雨上がりに長十郎梨の幼木が、この大師の地にまた１本植樹される。まだまだ幼い苗木だが、やがて根が張り逞しく成長することを願いたい・・・。(賢)