第 209号　　多摩川クラブ・トピックス　 2009/09/20  14:10発表




ねぇーお父さん、僕たちこんなこと知ってんだよ！

上丸子小の多摩川-DAY


次々と魚をすくい上げる子供たち。経験がなくてもお父さんも男の子、その面白さは充分に解る。
　ガッテンしたお父さんも多く居た、子供たちが魚が捕りやすいよう、いろいろと手助けも始める。捕れれば嬉しい。
　今日の夜ゴハンは、楽しい話題がいっぱいだ・・・お父さん、良かったネ。



  秋のシルバーウィーク初日、川崎市立上丸子小学校の初めての試み「多摩川-DAY」が、学区内を流れる多摩川河川敷で行われた。
  この催しは、上丸子小で取り組む多摩川学習を父母や地域に紹介するためのもので、この日は初めて全学年が同じ日に現地学習を展開した。

  取り組むテーマも、それぞれの学年に合ったものが選ばれている。低学年では「草花・昆虫(1・2年)」の観察学習。体力の付く中学年では「河原の不思議発見(3年)」「ガサガサ探検(4年)」に挑戦。
  また高学年からは、それまでの学習を基本とした「環境(5年)」や「歴史(6年)」へとステップアップして、故郷の川「多摩川」を学ぶ。

　この日の集いに参加したのは、父母を中心とする地域の人々約百名。当クラブが指導に当る四年総合「ガサガサ探検隊」では、日頃子供が持ち帰る話しに興味を持った父母が、子供たちと一緒にガサガサを体験。休日と言うこともあり、普段は見かけない父親の姿が目立った。

  タモ網で、次々魚をすくい上げる子供たちに驚きの声が上がる。父親世代にとって、少年時代の多摩川はもっとも近寄りがたい「汚染の川」。得意げな子供たちを前に、当惑する表情が印象的だ。

  「初めて多摩川に入った。こんなに多くの生き物がいて驚いた。」(40代、父母参加)

  重ね合わせることが出来ない「子供時代」。子供との初体験が、地元を見直す小さなきっかけになったことを願いたい。

Photo : H.takemoto



捕れた魚を、食い入るように覗く「お父さん」。幾つになっても、男は子供だ。今度は、コッソリ練習して、子供たちを見返してやろうッ！





＃01上丸子小・多摩川-DAY

四年総合「ガサガサ探検隊」進行の詳細


06:30 現地状況の連絡
    ※担任教師の連絡、開催の最終決定

07:30 スタッフ集合
    ※観察地の下見と安全確認
   ※学校から現場、荷物の運搬

09:15 授業開始
    ※ライフジャケットの点検
    ※学習内容の説明


09:20 秋を確めてみようッ！         ※水の感じ、川底の感じ・・を体感

09:40 ガサガサ探検ッ！
    ※夏との違いを、生き物で感じよう！

11:00 学週のまとめ
    ※捕れた生き物は？
    ※魚から見える西丸子の環境

11:30 撤収



所詮、人の子だが・・・成長を感じると自分の子のような気になる。嬉しければ飛びつくし、叱ればすぐに半べそをかく・・・。　神奈川県川崎市。この子たちは、おそらくここで一生を過ごすのだろう。公立小学校は、地域の未来だ。




捕獲した水生動物の詳細

○ 天気・晴れ/時々曇り 　参加数87名 / 水温24℃

採取した生き物

1

ウグイ    ( 6～12㎝)

36

8

ウナギ　   ( 22㎝)

1

2

モツゴ      ( 7㎝)

6

9

ﾃﾅｶﾞｴﾋﾞ   ( 3～ 7㎝)

800

3

メダカ     ( 3～4㎝)

450

10

マシジミ   ( 1～ 3㎝)

33

4

カマツカ  ( 5～ 5.5㎝)

2

11

ｱﾒﾘｶｻﾞﾘｶﾞﾆ ( 5㎝)

1

5

ビリンゴ    ( 12㎝)

55

12

ﾓｸｽﾞｶﾞﾆ  ( 4㎝) 甲羅幅

1

6

ヌマチチブ( 5～ 5.5㎝)

4

13

トンボヤゴ  (2～4㎝)

3

7

マハゼ( 12㎝)

49

14

ｳｼｶﾞｴﾙ・ｵﾀﾏ( 7～ 10㎝)

3

計14種   1.444匹

※捕まえた生き物は、記録を取ったのちに放流。





小学校発・地元「再発見」

連休初日。頭の上を満員の新幹線が、空を飛ぶように過ぎ去った。



  上丸子小の試みは、地元小学校と地域の新たな関わり作りにあった。今年で四年目の「上丸子・ガサガサ探検隊」。年を重ねるごとに、雰囲気もずい分変わった。父母の参加が格段に増えている・・・。倍増ではなく桁違いと言っていい。今年は平日の授業にも関わらず、父母が20人ほど集り学習を支えた。

  知らないと普通だが、これは驚くべき数。他の地域でも様々で学習に携わるが、この数はよそではあり得ない。

  初年度は父母からのクレームが多く出た。いずれも「汚い」「危ない」に関するもので、授業内容や多摩川の実態を知らないと、必ず出る親側の不安だ。

  クレームがどのように処理されたのかは知らない。でも、四年総合「ガサガサ探検隊」は終わらずに現在も続いている。父母参加が増えたのは、保護者に認知された証なのかも知れない。

  数年前まで多摩川は価値を生まない場所だった。近くであるが故に、悪い所ばかりが気になる。・・・近いからこそ感じることが出来た「良いこと」。上丸子小が手に入れたものは大きい。(賢)






詳細
○ 開催日時 2009年9月19日(水曜日)　午前 9時00分～12時まで
○ 開催場所 川崎市中原区新幹線、「ガード下」
○ 参 加 数
○ 開 催 名 上丸子小四年・総合学習「＃02ガサガサ探検隊」
○ 主　　催 川崎市立上・丸子小学校
○ 協　　力  川崎市教育委員会/川崎河川漁業協同組合・中原支部
／多摩川漁協/国土交通省京浜河川事務所／多摩川塾
○ 企画協力 多摩川クラブ
多摩川クラブ