会場に集まったのは園児家族や、たまたま通りがかった親子連れの飛び入りなど総勢190名。普段は土手から見下ろすだけの河川敷だが、一歩足を踏み入れると草原を飛び交うバッタに大はしゃぎ。驚きの連続に、参加者は大いに地元の「秋」を楽しんだ。　

　「最初は怖くて触れなかったけど、だんだん怖くなくなった。」園児5歳・男児
　「ここは窓からも見える場所、なのにこんなにたくさんの生き物が居てビックリしました。」飛び入り参加・子供連れ母親
　「何気なく見ていた場所だったが、自然の大切さを痛感した。子供とまた自然観察に来たい。」園児父母・30代男性　バッタ捕り約1時間。初めての地元遊びとは言え、捕獲されたバッタは11種1.023匹にもなった。手にするバッタは、どれも冬の世代交代を前に卵で丸々と太っている。
　「草原が枯れるとバッタは生きては行けないヨ。だから自分の変わりに、卵に命を託して暖かい春を待つんだ。」

　講師の説明に、バッタを持つ子供たちの手が優しくなった。観察終了後、予定通りにイナゴを残し全てをリリース。そして、残されたイナゴは調理され甘露煮へ・・・。「ん？」イヤイヤ、そうなのだ。今日の目的は自分で捕ったイナゴを食べること。このような不条理に、父親たちの説明は寛大だった。　姿そのままのイナゴを、恐る恐る口に運んだ若いお母さんの思わず出た言葉。

　「秋はぁ、楽しくて物悲しくて・・・とても、美味しいッ！」

　なるほど、初体験は旨いことを言わせる。 来春は、同じ場所で「土手菜？道草喰う会？」の開催を予定している。(賢)