第 256号　　多摩川クラブトピックス　 2010/08/04  23:05発表




子供にはナイショで川遊び

川面から見上げた「川崎の青空」


夏休みの多摩川に、川崎市の小学校教員30名が集結。子供たちの前に、まずは教師自身の多摩川を確めた。

Photo : Takemoto


  夏の青空が広がった5日、川崎市に勤務する小学校教師30名が、地元多摩川で川遊びを楽しんだ。場所は高津区の国道246号線橋脚下、川崎市内では最も賑やかな河川敷。小教研である「生活・総合研究会」の夏期講習として開催、多摩川塾でも＃6回「二子塾」として指導に当たっている。

  参加した教師は、すでに多摩川学習を展開するベテラン教師から、多摩川は初めての若い先生までと幅広く、いずれも総合や生活科の授業で多摩川を活用したい前向きな教師。内容も、通常の多摩川塾よりも具体的な展開例を元に進行した。
  とは言うものの・・・やっぱり夏の多摩川は面白い。川を歩いて川を流れ、魚を捕る内に先生方の顔つきもガラリと変わる。

  「川崎で生まれ川崎の教師をしているが、初めて多摩川に入った。昔の汚いイメージが一新する驚き。子供たちの教育以前に、心底嬉しかった。」(40代・男性教諭)

  「オモシロイ、とにかく楽しかった。子供たちに体験させたらどんな風になるか・・・目に浮かぶようでファイトが沸いた。」(20代・女性教諭)

　受講後に書いてもらったアンケートには、瑞々しい感動が書き込まれていた。新たな始まりを確信する１日となった。



川を歩いて、流れて・・・ガサガサを体験。多摩川のオモシロさを心底感じてもらえたようだ。



＃06「小教研夏季講習・二子塾」進行の詳細

09:00 受付開始

09:30 開塾
　・始まりの挨拶
　・一日の流れの説明

09:45 川への移動

10:00 川の体験講習
　・川を歩いてみよう
　・川を流れてみよう
　・川の安全講習
　・ガサガサの上達講座

12:30 教育ｾﾝﾀｰ移動
　　　　　　昼休憩
14:00 座学・多摩川とは？
　・ｼﾞｬﾌﾞｼﾞｬﾌﾞしようッ！
　・ｶﾞｻｶﾞｻしようッ！

15:00 実践報告
　・学習取り組み校による発表

15:50 １日の「まとめ」

16:00 閉塾・後片付け



子供も大人もない。川に出れば誰でも楽しい。伝える前の、楽しい体験の1日になったようだ。




確認できた水生生物

魚種(大きさ)

数

魚種(大きさ)

数

01

ウグイ　(3〜4ｃｍ)

12

 08

ドジョウ　 (11ｃｍ)

1

02

オイカワ　(6〜7ｃｍ)

23

 09

シマドジョウ (10ｃｍ)

6

03

　ギンブナ　(3〜4ｃｍ)

1

10

ｱﾒﾘｶｻﾞﾘｶﾞﾆ(4〜5ｃｍ)

2

04

　モツゴ　(3〜4ｃｍ)

1

11

　ヌカエビ (2.5ｃｍ)

210

05

　ウキゴリ (5〜6ｃｍ)

12

12

モクズガニ　(2ｃｍ)

6
06

　ヌマチチブ (5〜6ｃｍ)

11

 13

　テナガエビ (5〜6ｃｍ)

8
07

　ナマズ　(3〜4ｃｍ)

1

 14

　ﾄﾝﾎﾞ・ヤゴ (1〜3ｃｍ)

6
計12種　　199匹




あまりにも青い空・・・川の中から見ると格別な空となった。







不立文字

　「先生ッ何もしないで、流れながら空を見てごらんッ」急流に仰向けになっ流れていた先生たちの動きが止り、夏の青空眺める穏やかな顔が下流へと流れる・・・。“ねぇねぇ先生、空はどんな風に見えた？”本当は、一人一人に尋ねてみたい。それくらい素敵な顔をしていた。

　そんな姿や表情に出会うと・・・普通の人じゃ解らないかも知れないけど、胸がキュンとするほど嬉しくなる。う〜ん、何って言えばいいか、たとえば初めての人に、初めての魚を釣らした時に感じる「アレ」に近い喜び。でも、多摩川でそれを感じると、釣らせた時より百倍嬉しい・・・。

　今日は多分眠れないかも知れない。百倍が30人居た。「ねぇ先生・・・面白かったでしょ？」確める必要がないほど楽しそうだった。これはたまらない。事務局の竹本さんも、しわくちゃな顔して先生方を眺めていた。思いは同じなのだろう。

　何かが変わるのかも知れない。でなければ、僕たちは変わらず変人のままだった。親しみから愛情へ・・・この川に触れることで身近さが芽生えたのなら、もっと嬉しい。川面から見上げる川崎の青空は、眩しいほど青かった。(賢)





詳細
○ 開催日時 20010年08月04日(水曜日)　午前 09時00分〜午後04時まで
○ 開催場所 川崎市高津区二子・平瀬川合流地点
○ 参 加 者 小学校教師30名 ｽﾀｯﾌ参加2名
○ 開 催 名 「先生が楽しくったってイイじゃないかッ！」＃06二子塾
○ 主　　催 川崎市教小教研・生活総合研究会／教育センター　共催
○ 協　　力 NPO法人「多摩川塾」
○ 後　　　援

国土交通省京浜河川事務所／川崎市教育委員会／稲城市教育委員会／日野市教育委員会／多摩市教育委員会／八王子市教育委員会／大田区教育委員会／世田谷区教育委員会／狛江市教育委員会／調布市教育委員会／立川市教育委員会
○ 講　　師 講師　中本　賢・竹本久志・飯沼　索


多摩川クラブ