第 287号　　多摩川クラブ・トピックス　2011/10/09　20:00発表




実りは食べて実感

秋の土手菜塾は「イナゴ」の甘露煮？


「私ねぇ、コレ食べれるよ」手にしたイナゴの甘露煮、得意げに食べて見せた。君は立派な大人になるッ！



　三連休中日となった10日、調布市染地の多摩川河原にある自然観察緑地で、秋の観察塾を開催した。参加したのは多摩川幼稚園の園児と父母を中心に、地域自治体からや通りすがりの飛び入り参加などの、総勢約130名の調布市民。

　今回の最終目標は、野性の「イナゴ」を捕って食べること。経験のない若い父母の方が興味津々なのが面白い。しかし、草原に入ると飛び出すバッタに悲鳴を上げるお母さん続出。多摩川の「実りの秋」は飛んだり跳ねたりする。

　見るのも触るのも初めての子供たちは、すでに夢中。おかげで展示用の飼育ケースは、みるみるバッタで埋まった。

「いろいろなバッタが居て、びっくりした。」多摩川幼稚園・年長女の子
「草の中を走るのが面白かった。」そよかぜ自治会・小3男子
「土手の上からしか見ていない場所だったが、家族で楽しめ魅力を感じた。」園児・父母

　季節を感じる「体験」は楽しい。近くて遠い川「多摩川」。これをキッカケに時々遊びに来てくれると嬉しい。次回の土手菜塾は来春四月に予定している。






昆虫の採集

多摩川の河原で、お父さんとバッタ捕り。こうゆう思い出は、一生忘れることがない。凄いぞッ「ショウリョウバッタ」だッ！」




確認した主な植物と、広場の占有率

種　類 占有率 種　類 占有率
01 メヒシバ 60％ 07 アキノエノコログサ O.5％
02 シマスズメノヒエ 20％ 08 クズ 1％
03 チカラシバ 5％ 09 アレチウリ 0.1％
04 ツルヨシ 3％ 10

コセンダングサ

 0.2％
05 オギ 1％ 11 セイタカアワダチソウ 0.5％
06 キンエノコログサ 2％ 12 キクイモキクイモ 0.1％
計12種



確認したバッタ

種　類 数 種　類 数
01 トノサマバッタ 260 07 エンマコウロギ 15
02 コバネイナゴ 50 08 ウスイロササキリ 42
03 ツチイナゴ 21 09 クサキリ 2
04 オンブバッタ 17 10 クビキリギリス 13
05 ショウリョウバッタ 41 11 オキリオカマ 2
06 ツユムシ 12 12 ヒナバッタ 1
計12種　　475匹




多摩川幼稚園の先生たちが料理。なかなか捕まらなかったイナゴ50匹を大切に料理。他のバッタは来年のためにもリリース。



調布・市民体験塾　進行の詳細

08:30 スタッフ集合
設営準備
開催地の安全確保

09:00 開塾
挨拶と参加者の紹介
秋の植物を紹介

09:30 生き物観察
 昆虫の採集
 10:30 ｲﾅｺﾞ試食会

11:30 発表と「まとめ」
捕れたバッタの発表
塾頭のまとめ


3:00 閉塾・後片付け



子供たちは「偉大」だ。先入観がまるでない。恐々口に入れて、美味しければ「おかわりッ！」。来年は、もっとたくさん捕まえようネ。






ふるさとの「イナゴ」？

　国土交通省の調べによると、多摩川の河川利用者数は毎年一千万人を超える。「散歩」「スホーツ」の利用がほとんどを占め、「釣り」利用は全体の6％前後の数にしかならない。

　 多くが、徒歩か自転車で通える流域市民で、早朝から日没まで、土手の上のサイクリング道にはほぼ切れることなく人の往来が続く。
　 しかし、多摩川の自然そのものに関心を持つ方は、今だなかなか増えないのが残念だ。

　多摩川は都市化された自然である。人の途絶えた地区では、今だゴミの原やホームレス小屋が立つ。しかし特別を求めず「普通」を楽しむ気持ちがあれば、それはそれでかなり面白い。

　 多摩川から見える自然環境は、調布「そのもの」の環境。良くも悪くも、まず体験を通じて知ることは大切だ。

　いつもは通り過ぎる河原の広場で、親子がやぶ原を走り廻り、バッタを捕って食べた。「エッ、食べるの？」その驚きは、新鮮だったようだ。ふる里「調布の味」、イナゴが多くを伝えたに違いない。(賢)








詳細
○ 開催日時 20011年10月09日(日曜日)　午前 9時00分〜12時まで
○ 場　　所 調布市染地「多摩川自然観察公園」
○ 参　　加 調布「多摩川幼稚園」 98名 ／ そよかぜ自治会 26名、ほか／スタッフ参加：多摩川塾スタッフ4名　　計128名
○ 開 催 名 ＃06 調布・市民体験塾「秋の土手菜会」
○ 講　　師 塾長 中本賢・塾頭　渡辺一也
○ 主　　催 調布市立 多摩川幼稚園／染地・そよかぜ自治会
○ 協　　力 多摩川塾
○ 後　　援 国土交通省京浜河川事務所／川崎市教育委員会


多摩川クラブ