梅雨入りを前にした青空の下、稲木市立・稲城第六小学校のPTA行事「ふれあい多摩川」がで開催された。この催しは六小PTAの行事として平成12年から始まり、今年で八回目の開催となる。

　運営にはPTAのほか、同校の父母会でもある「ダディーズ」が協力しており、学校行事であると同時に父母間の親睦を深める場所でもある。案の定、準備の段階から笑い声が絶えない。プールにドジョウを放しての「ドジョウすくい」に「投網体験」、賑やかに煮込み上げた手作りカレーの接待。家庭では生めない“ワサワサ感”・・・。

　休日の１日。学校全体が「家族」のような一体感。総勢百名を超える大家族が、多摩川を「つまみ」に楽しむ１日となったようだ。

　稲城六小にお邪魔したのは今回で３回目だ。昨年初めてお邪魔した時の紙芝居Live。そして引き続き行った「大丸用水ガサ入れ」。どれも父母と先生方がリードして開催されたイベントだった。一緒に参加して嬉しかったのは、父親たちの参加の仕方だ。準備に運営に、若い (？) お父ーさん達の「一生懸命」と「笑顔」がある。そんなイベントでは、子ども達も本気になってくれる。

　「ダディーズ」。これは六小の父親たちが作った父兄の会だ。メンバーを募り学校行事をバックアップ、夏のイカダレースにこっそりエントリーしたり・・・楽しむことも怠らない。学校や子供を入り口に、遊びごころ満載なのが嬉しい。

　六小は、多摩川の河原に隣接する小学校だ。この会の創立のきっかけは、痛ましい同校児童の水難事故だと聞いた。事故は学校のそれまでの取り組みを大きく変えた。事故が起きぬよう「さらに厳しく、川へ行かせないようにするのか・・・」それとも逆に「多摩川への取りくみを開始し、面白さや危険を理解させて行くか・・・」六小の父母は後者を選んだ。そして学校まかせでは無く、こうして教師や学校をバックアップし今日にいたっている。

　稲城六小は、学校の授業として川に入り、学校の備品としてライフジャケットを揃えている。そんな父母や教師に触れるに付け、新しい時代を感じている。「学校」「子供」そして「親」。新しい「形」は、子供の安全を願う三者同一の目標の中で生まれている。

　多摩川を通じて、様々な小学校を見てきた。しかしそのような小学校は、まだまだ少ない。願わくば、流域全体の「基本」として成長を願いたい。(賢)