最高気温27℃、8日振りの夏日となった7日、夏の二子塾を開催した。梅雨入りしてから長雨が続き、前回に引き続き開催を危ぶまれたが、夏塾にふさわしい「ムシムシ陽気」。参加教師は、半ズボンに半袖姿で大いに夏の多摩川を楽しんだ。

　「長雨の増水で出来た河原池に、逃げ遅れた魚がいるゾ」

　水が引き、本流と途切れた河原の池を覗くと確かに魚影がふたつみっつ。干上がれば、カラスの餌食となる魚たちだ。急きょ「河原ゴイ救出作戦」に予定を変更。さつそく池に入って追い込み漁を開始した。

　「そっち行ったぞぉーッ」「あっ、今足にぶつかったッ」喧々諤々、騒ぎに池を囲むバーベーキュー組みも集まった。終わってみれば、驚くべきその「大きさ」と「数」。体長80センチを超える大ゴイからヘラブナまで、計93匹ッ！。予想外の結果に大盛り。しかし、重い・・・放流のための運搬に、今度はこちらが「アップアップ」。夏の河原は賑やかで楽しいのだッ！。

　夏の塾からは、参加者の呼びかけを開催地周辺に限定している。今回募集したのは川崎市高津区を中心にした地区。市内の公立小学校8校から、計20名の参加となった。参加者の内容も少しづつ変化が現れている。

　回を重ねるごとに、一校に参加者が集まるようになり、徐々に学校ごとにバラけなくなった。それに、参加教師の平均年齢がグンと若帰っている。参加者に尋ねると、どうやら多摩川塾がこれまでの個人の興味から、学校単位の関心へと進化しているからだそうだ。すでに多摩川学習を開始もしくは開始を予定する学校が、学年単位で参加している。指導を開始するに辺り、多摩川塾ではより具体的な内容を期待しているそうだ。

　昨年のプレ開催から7回。「楽しい」だけでは済まされない事態になって来た・・・手抜きは許されない。それにしても、先生たちの前向きな姿勢には感銘を覚えるのである。

　公立学校教師の過長勤務が話題になっている。今日、ヒマな小学校教師など何処にも居ない。知れば知るほど、その実態は厳しい。そんな中で自身の関心から授業へと展開することは、更なる過勤務の道へと進むことになるのかも知れない。多摩川塾参加の、若い教師がこんなことを言った。

「せっかく教師になった、自分の特長を生かした教育をやってみたい。」

　余計を嫌う人もいる。やりがいを手探りする人もいる・・・この野暮な催しが、たくさんの「やりがい」を満たせることを願いたいものだ。(賢)