第 331号　　多摩川クラブトピックス　2014/09/18 27:10発表

久本小のｶﾞｻｶﾞｻ探検隊・秋の陣で爆発ッ！

多摩川に集まった五年生。雨で中止が長らく続き、結局夏休み明けての授業だ。みんなのモチベーションは・・・いかに？

　「もう、延期するのは無理ッ！」久本小五年の学年主任の東先生から、悲鳴のような電話がかかった。今年の多摩川は天候不順が甚だしく、総合で多摩川に取り組む学校では、雨のたびに学習がストップしている。

　久本小でも予定が二転三転。ようやく雨が収まった今日8日、小雨を誤魔化し開催にこぎ着けた。場所は川崎市高津区にある「二子わんど」。前回と同じ場所だ。しかし学習が長く途切れたので、ひとまず「楽しい魚とり」だけで良いと思っていたが、なんの担任教師の指導は行き届いていた。

　途切れた間に、子供たちそれぞれにテーマを作らせ持たせてある。「透明度」をテーマにした子供は、タモ網すら持たず、透明ケースに入れた水をあっちこっちで写真を撮っている。「魚調べ」の子では狙った魚を環境別に集めているし・・・さすがは五年生だ。

　先生たちは、いったい子供たちにどんな魔法をかけたのだろう・・・川に出ずとも、授業がしっかりと進行していたことを実感させられた。久本小の底力、素晴らしいガサガサ探検となった。

久本小5年　「多摩川ガサガサ探検」進行の詳細

08:45 学校出発
(ｽﾀｯﾌ)
　・現地受け入れ準備

09:30 開始の挨拶
　・注意説明
　・着替え準備

09:45 川遊び開始
・ｶﾞｻｶﾞｻ探検

10:45 川体験終了
　・着替え
　・講師へのお礼

11:00 終了、帰校出発



河原の砂場で足跡発見ッ。タヌキとコサギ、それとカラスの足跡を発見した。生き物の息遣いがオモシロイ。


「これ、飲めそうだヨ。」多摩川の水が、澄んで清らかに見えた。

きれいな水の「水草」と、池になった所の「水草」。場所が変わると生き物も変わる？



生き物採集班は、今日も快調ッ。次々と新種の発見。夏の「モクズガニ」、春のサイズのままだ。遡上は、春のみならず夏も続いていることが解った。それと、「ギンヤンマ」のヤゴ。凄いッ、多摩川の再生恐るべしッ。

観察できた水棲動物

水温　湧水21℃ ／多摩川24℃

確認できた水生生物
	魚種(大きさ)	数		魚種(大きさ)	数
01	コイ　(9cm)	1	09	ﾓｸｽﾞｶﾞﾆ　(2～8ｃｍ)	6
02	ギンブナ　(5～9ｃｍ)	4	10	ｱﾒﾘｶｻﾞﾘｶﾞﾆ　(6ｃｍ)	2
03	モツゴ　 (5～8ｍ)	2	11	ヌｶエビ (2～3ｃｍ)	120
04	ｵｲｶﾜ　(3～12ｃｍ)	240	12	テナガエビ　(3cm)	1
05	ウグイ　　(3～4ｃｍ)	2	13	ｳｼｶﾞｴﾙｵﾀﾏ　 (8～10cm)	13
06	ｽﾐｳｷｺﾞﾘ (5～11ｃｍ)	68	14	ｷﾞﾝﾔﾝﾏ・ﾔｺﾞ (5ｃｍ)	1
07	ナマズ　(4～6cm)	3	15	ﾊｸﾞﾛﾄﾝﾎﾞ・ﾔｺﾞ　(1.5～2ｃｍ)	3
08	ﾏﾊｾﾞ　　(10ｃｍ))	1	16	ｻﾅｴﾄﾝﾎﾞ・ﾔｺﾞ　(2～3ｃｍ)	3
計16種　　467匹

多摩川クラブ

飯沼先生の「ふるさと」

　昨年、久本小に就任した飯沼校長は、たたき上げの「川崎っ子」だ。昭和40年代のあの多摩川汚染時代を、目の当たりにしながら少年期を過ごした。小学校教師に川遊びを伝える多摩川塾では、2007年のプレ開催からほぼ皆勤賞の出席率。
　決して若くもないのに、ニコニコ魚捕りに興じる姿が印象的だった。一度、先生に「なぜそんなに楽しそうなの？」って聞いたことがある。

「嬉しいんですヨ。多摩川がきれいになったのが・・・本当、信じられないくらい良い川になった。でも、こうゆう機会がなかったら気付かないくらい遠い場所になっていましたネ。」

　普段は険しい人だが、多摩川に入ると子供のような顔になる。初めて会ったのは、今から11年前。上丸子小の教務主任を勤めていらした頃だ。
　洗剤の泡だらけだった故郷の川で、教え子たちが楽しんでいる・・・きっと、そんな姿が嬉しかったんだと思う。

　工場の煙に覆われた空、洗剤の泡で埋もれた多摩川の川面・・・今では遠い昔となった故郷の景色。何気なく見ていたはずでも、子供心に悲しい景色に写っていたのかも知れない。飯沼先生の嬉しそうな姿を見ると、僕まで嬉しくなる・・・本当、よかった。 (賢)

村岡秀夫さんの写真集から「シェー」。昭和44年、川崎区で撮影。

詳細

○開催日	9月8日　9時30分～11時30分
○場　所	川崎市高津区・二子ワンド
○主　催	川崎市立・久本小学校
○参加者	児童4学級132名　父母2名
○協　　力	多摩川塾
○指　導	多摩川塾・塾長　中本賢

多摩川クラブ　